naef

http://www.naefspiele.ch/ 
 スイスの玩具メーカー.いまさら説明不要であるが,バウハウス直系のモダンデザインの美しさが特徴.最近この玩具メーカーのカタログを手に入れた.このデザインが”子供のため”になるものなのか,私は分からない.しかし,その品質の高さには圧倒された.この経験から,工学系の「子供のための知育システム研究」についていくつかの反省点を思いついたので,それを記す.
 私は,「子供のための知育システム研究」について相当批判的である.それには3つの理由がある.それは以下の通り.
1.工学であるにもかかわらず,対象が子供であると理由で,システム効果の評価がされない.評価があいまいでも許される.
2.子供という対象が,単なる研究デモのアイキャンディーでしかない.
3.上記の不正な傾向があるにもかかわらず,研究者がナイーブに「子供のため」なる目標を夢想している.
 自分も含めて,こういった研究に関係しがちな研究者に自覚を促したい.このような研究のテーマは,実際の”子供のため”という要求と乖離しているのではないだろうか?また,その乖離に自覚的であって,そういった目標が単なる研究的戦略であったにしても,研究の成果として求められる品質は,過去の事例(naef)と比較されるのではないだろうか?
 そう.子供をダシにして好き勝手やるのは簡単である.それが単なるポーズであるならば,せめて naef クラスの品質を保証しようと自覚した.