BEACON2004

http://project.shiftweb.net/beacon2004/
 大阪成蹊大学芸術学部で展示されたインスタレーション.シンプルな空間の中央に,灯台(beacon)のように回転するプロジェクタが設置され,仮想的な空間を演出する.プロジェクタで再生される映像は,多様であるが,プロジェクタの回転動作と同期しており,あたかも,灯台の光が暗闇の中の現実空間を照らし出しているかのように感じられる.これらの映像素材のなかでも,本作設置環境の過去の時間を記録した映像素材がすばらしかった.過去の映像が,現在の空間の上に重ねられる.展示空間の導線デザインも巧みで,鑑賞者が映像投影壁面の付近を移動するようになっている為,過去の映像の中で活動する人物と鑑賞者がしばしば交差し,時にはインタラクトしているかのようも感じられる.
 アイデアとしては,デジタルデスク系インターフェイスのプロジェクタ利用法を,展示空間全体に拡張して,アートに特化したとものであると考えられる.あるいは,イメージベースのMRか.空間的なコンピューティングが本当に現実的になって来たならば,本作品に見られるような表現上のテクニックを是非とも応用したいと思った.